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JSA:JSAスペシャルズ:インタビュー&レポート◎連載企画「サッカーを支える人達」 6回目
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○審判の“審判” − 審判委員会の役割
日本サッカー協会・審判委員会。日本サッカーの審判を統括する部署は、真新しさの残るJFAハウスの10階にあります。
今回この取材を快く引き受けてくださったのは、委員長の高田静夫さんです。
高田さんは1986年のFIFAワールドカップ・メキシコ大会のスペイン‐アルジェリア戦で日本人として初めてW杯の笛を吹いたことで知られ、数多くの国際舞台を経験し、またJリーグ発足時にもトップレフェリーとして今の礎を築いてこられました。
W杯予選・オマーン戦を終えはしたものの、オリンピック予選やJリーグ開幕が迫るなど慌ただしい時期の中、終始笑顔と優しさを持って接してくださった高田さんは、丁寧に答えてくださいました。
−審判委員会の役割について教えてください。
「審判員を取り巻く環境を整え、または待遇をよくすること。そして審判員のレベルアップを通して、審判員をどう活動しやすくするか。これが最大の目標ですね。」
−高田さんは年間にどのくらいの試合に携わっているのですか?
「レフェリーインスペクター(いわゆる審判の評価をする役割)としてスタジアムへ行くことが多いです。Jリーグ・JFL・国体・インターハイ・高校選手権などに出かけ、担当審判員の評価をしますが、だいたい40〜50試合ですね。
審判委員長の立場としてですが、国際試合の時は外国から来る審判員に対応して、あるいはその審判員たちにアドバイスをします。
また現在、女子を含めた一級審判員はおよそ150名、レフェリーインスペクター・インストラクターが50名ほどいますが、これらを統括するのが委員会、委員長の役割です」
−審判委員会に関連して、日本サッカーにおける審判の新しい環境として注目すべきは、今年から「JFAレフェリーカレッジ」がスタートしましたが、これはどのような内容でどのような取り組みをされているのですか?
「かなり詳細なプログラムが組まれています。今までになかった回数や内容で取り組んでいます。日数もかなりの数をこなし、技術の向上だけでなく、トップレフェリーに必要な人間性、精神的なレベルを上げ、また戦術も含めた総合的な勉強をしながら、トップレフェリーの道を歩いていくというものです。
30歳前には日本のトップレフェリーになってほしいです。少なくともJリーグの笛を吹いてほしいですね。そしてゆくゆくは国際審判員に育ってほしいです。
カレッジの目的は一級審判員に相応しい人を入れるのではなく、指導することで伸びる可能性が高い者を集めることにあります」
−JFAレフェリーカレッジが目標としていることはなんでしょうか?
「審判にとって高いレベルに向かっていこうとするには、意欲が一番大切です。いろんな困難はありますが、いい意味でお互いが競争心をもって勉強することで、さらに伸びていくのではないでしょうか。地域で淡々とトレーニングをするのではなくて、ここはトップの人達や意欲の高い人達が一堂に集まることで、レベルの高い指導を受けることのできる環境だと思います。
加えて、6名のカレッジ生の意気込みは素晴らしいです。荒削りだけど魅力があり、当然ながらやる気に満ちています。期待に応えてくれるでしょう。カレッジマスターの小幡(真一郎)さんもまた非常に意欲的です。成果は徐々に上がってきていると思います。
その中で1年経たずに「これはいいぞ」という人には、2年目を待たずに一級審判員にチャレンジしてもらう機会を持ってもらおうと思っています。
レフェリーカレッジは日本の審判界にとって初めての試みであるし、長い歴史から見ても大きなステップです。
目標についてですが、オリンピックやワールドカップに何人出さなければいけない、という具体的な目標を立てるつもりはありません。チームと違ってレフェリーは、相手に勝って進んでいくものではありませんから。日本のトップレフェリーやこれからの若い人達がアジアや世界に出てくれれば、そのような舞台には自然に出られる、あるいは選ばれるものだと思います」
いただいたJFAレフェリーカレッジの資料に目を通すと、カリキュラムの密度の濃さに驚きました。定期講習は金・土・日の2泊3日が年に20回、5泊6日の集中講習も年に4回など、並々ならない力の入れ様が感じられました。また指導項目も、競技規則や体力・メンタルトレーニングなどがさらに細分化され、変わったものでは「税務の知識」や「ボランティア活動」もあり、様々な角度からレフェリングや人間性の向上にアプローチしていることが伝わってきました。
近い将来、カレッジから巣立ったトップレフェリーが、あらゆる大舞台で活躍するだろうということに、大きな期待を寄せてもいいのではないでしょうか。
(せき ひであき)
